日本代表選手団コーチ

日本代表選手団に入って20年の月日が流れた。ユースジャパンは今年で17期目を迎える。3年振りに富士で開催される。正直厳しい戦いの連続だった。茨の道だった。全世界ウエイト制は第7回目を迎える。大阪で開催された第3回大会の時に組織から代表監督の命を受けた。無差別の世界大会は空手母国である日本で開催される。全世界ウエイト制は基本的には海外で開催される。特に海外遠征となる全世界ウエイト制大会はアウエイなので一段と厳しい戦いとなる。今回はコロナ禍に加えてロシアによるウクライナ進行とういう前代未聞の厳しい世界情勢の中での遠征となる。この20年で色々な思い出がある。反対に渋い失敗もたくさんある((´∀`))その時々の思い出深い写真を見ていると懐かしく感じる。そんな思い出深い数々の写真の中でも取り分け大好きな心和む写真がある。リトアニアで開催された第4回全世界ウエイト制大会の時の写真である。厳しい戦いの合間でホテルのロビーで4人のコーチ陣と束の間の休息を取っている時の写真である。日本代表選手団コーチ・・・山本健策、新保 智、塚本徳臣、石原 延(敬称略)の4人である。全員が世界チャンピオンか全日本チャンピオンである。塚本はリトアニア大会の2年前の第10回世界大会で二度目の優勝を果たし引退した。そして、選手団コーチに加わった。その後も日本代表選手団は数々の激闘を繰り返し、その都度大勝利を重ねて行った。いよいよこの9月ポーランドでの大決戦に挑む。今回、第12回世界大会での男女W優勝の立役者島本雄二と南原朱里が新たにコーチ陣に加わった。今や日本代表選手団コーチ陣は9名の威容を誇る。まさしく世界最強のコーチ陣である。故に日本代表選手団こそ世界最強なのである。自分が第8回世界大会で初めて選手団コーチになった時、コーチは自分ひとりだけだった。よくやれたなあと20年経ってつくづく思う((´∀`))中でも忘れられない戦いがある。第10回世界大会の年、新極真会が初めて他流派の世界大会に挑んだ。それがロシア・ハバロフスクで開催されたKWU世界大会である。その時は選手10名を連れ、役員以外は監督の自分とコーチは塚本(支部長)ただひとりだけだった。ホテルに着くと直ぐに塚本が自分の部屋にやって来た。そして、白のTシャツを渡された。「監督、これを着て下さい!」1枚の白のTシャツを渡された。右肩には日の丸が入っていた。そしてTシャツの背中の文字を見て、思わずTシャツを持つ両手に力が入った。黙って何度もその文字を噛み締めるようにひとり頷いだ。そして、塚本と目が合った。塚本はこうも言った。「監督、喧嘩に来たんですよねぇ!」Tシャツの背中にはこう書かれてあった。“新極真会特攻隊“他団体が主催する世界大会に新極真会が初めて挑んだ。しかし、1ヶ月後には第11回世界大会が東京で開催される。その日本代表以外の選手でこのロシアで戦わなくてはならない。しかし、主力選手がいようがいまいが新極真会が負ける訳には行かないのである。結果に対して言い訳は出来ない。そういう状況の中での遠征だった。塚本の気持ちが痛いほど分かった。塚本の思いが滲み出た背中の文字だったのである。無論、自分とて塚本と同じ思いであった。特攻隊という言葉を使っているが、討ち死にしに来たのではない。命掛けて戦う覚悟の程だった。日本代表選手団やリトアニア勢など海外組を含む新極真会はほとんどの階級を制覇した。あらためて新極真会最強を世界に知らしめた。その中でも日本選手団は世界一を実証した。この大会でユースジャパン1期生の緑 強志が中量級世界チャンピオンとなり、1か月後の第11回世界大会で同じくユースジャパン1期生の島本雄二が世界チャンピオンとなった。いよいよポーランド遠征出発まであと4日となった今日。毎週土曜日に塚本道場の関東合同稽古に行っている翔太から、塚本から預かったというTシャツを受け取った。組織カラーの真っ赤なTシャツだった。背中には大きな字で『正義』と書かれてあった。世界情勢や日本選手団の歴史など色々な光景が目に浮かんだ。塚本らしい発想の文字だった。大会は二日間だけであるが、直前のトレーニングから大会後のセミナーその他、遠征中はほとんどの時間で日本代表ユニフォームを着ることになる。勿論、控えという訳ではない。塚本の気持ちが嬉しかった。遠征前に最高のエネルギーを注入することが出来た。こうしたTシャツ一つ取ってもただのユニフォームではない。これから始まる厳しい戦(いくさ)を勝ち上がって行く、これは武士の鎧なのである。今日は全国のコーチや選手達から最後の調整が終わったとの連絡が入った。支度は整った。

日本代表選手団 全階級制覇を目指して いざ出陣!

決戦の日まであと7日!

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