伝統継承せよ!

日本代表選手へ 本日、トーナメント表が発表になりました。日本代表決定以来、既に厳しい稽古に明け暮れていることと思いますが、皆さんが登ろうとしている世界一険しい山の全容がはっきりしました。いよいよです。決戦の日まで85日!梅雨が明け、本格的な夏到来と共に、これからが皆さんにとって更に過酷な道のりが始まるのです。怪我や体調管理には十分注意して大会当日には万全のコンディションで臨んで下さい。残念ながら二人の選手が怪我で代表辞退を余儀なくされました。今思えば、各階級にリザーバー選手を選び、二月の日本代表選手団強化合宿に全員を参加させた事は偶然ではなく必然だったのかもしれません。選手全員が日本代表選手に選ばれた誇りを胸に悔いのないよう思う存分戦って下さい。カザフスタンでの第6回大会では7階級制覇を達成しました。今度は君達の手で日本代表選手団と組織の悲願である全階級制覇を成し遂げて下さい。7月、8月と出稽古や或いは強化合宿を計画している人もいるでしょう。主将副主将を中心に選手同士密に連絡を取り合って、実のある夏として下さい。何かありましたら、いつでもコーチ陣に連絡して下さい。日本代表選手団のコーチ陣は、間違いなく世界最強であります。全員が世界の舞台で戦った歴代の日本代表選手であり、世界チャンピオンだから。何より、皆さんと同じユースジャパンの先輩達がコーチとしているではありませんか。先輩方が成し得なかった全階級制覇の偉業を君達の手で必ずや成し遂げよ!伝統継承せよ!  第7回全世界ウエイト制大会 日本代表選手団 監 督 奥 村 幸 一
第5回のリトアニア大会では河鰭が重量級で選ばれた。遠征前に弟啓治(師範)から魂の掛け軸が届いた。日の丸をバックに啓治の大好きな昇り龍の絵だった。其処にはこう書かれてあった。『武士道 祈 日本代表選手団 全階級制覇』その文字の周りを赤いインクが散り撒かれてあった。“兄貴、世界の舞台で戦って頂上目指すんだから無傷で全階級制覇が出来るなんて思うなよ!”掛け軸が届き御礼の電話をした時、啓治に厳しい声で言われた。無論百も承知である。散り撒かれたあの赤いインクは血を意味していた。この龍画の掛け軸は左手ではなく、右手で書いたものである。自らも再び中国上海に旅立つ寸前の時期だった。日中国交が冷え切って、ビザが中々下りずに旅立つ日を待っていた矢先に不運にも自宅で倒れた。不運は重なる。リトアニアに向けて日本代表選手団が旅立つ日に啓治は倒れた。自分がその報を聞いたのは、まさに成田空港で搭乗手続きをしている最中だった。突然田舎から電話が来た。地元の後輩からの手術が始まったとの電話だったが、どうすることも出来なかった。ホテル到着後、ロビーで日本代表選手団の現地での最初のミーティングを行った。啓治から選手団に預かった龍画の掛け軸を披露した。涙をこらえながら代表選手達に語った。組織に感謝し、これまで応援してくれた家族、友人、師範、道場の仲間達の分まで戦い抜けと。啓治の魂は、4年後のカザフスタンの戦いでも選手団に引き継がれた。そして、この9月ポーランドの戦いでも引き継がれて行く。

“武士道 祈 日本代表選手団 全階級制覇”

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