もう一人の女子世界チャンピオン「南原朱里物語」

新極真会(日本)には二人の女子の世界チャンピオンがいる。一人は第10回世界大会で優勝した将口恵美。ユースジャパン1期生でもある。もう一人は、前回の第12回世界大会で優勝した福岡支部の南原朱里。以下、空手ライフ7-8月号より『お父さんは地元福岡県で空手道場を開いている。小学1年生の時に空手を始める。館長でもあるお父さんは反対したらしいが。小さい頃から負けず嫌いだったらしい。デビュー戦で優勝して以来、全国各地を遠征し連戦連勝。たった一つだけ勝てなかったのがJKJO全日本大会だけだった。中学1年生の時に転機が訪れる。新極真会の第10回世界大会を見て、優勝した将口恵美選手の姿に衝撃を受けた。私も世界チャンピオンになりたい!弟子でもある娘の夢を叶えるため、他流派の館長でありながら父は娘を新極真会福岡支部に移籍させた。緑代表に娘を預けたのである。』(南原朱里物語 第一話)

南原朱里を初めて見たのはユース合宿の時だった。他流派から移籍して来た事やこれまでの戦績など全く知らなかったが、組手を見た時の衝撃ははっきり憶えている。中学3年生の時は、高校生選手に全く引けを取らなかった。実現しなかったが、3月の日本代表候補合宿に中学生でありながら自分が呼びたいと思ったのは、実は南原が初めてだった。その時は、自分の重い腰が上がらなかった((´∀`))。石原凛々も中学3年生の時に同じように思わせた。何年か前に何かの合宿の時に塚本(支部長)に聞いた事がある。「これまでのユース合宿で、前田優輝に匹敵するくらいの女子選手は誰かいるかい?」凛々ですかねぇ!ちなみに初めて中学生で呼んだのは城南の目代結菜だった。南原の話に戻る。輝かしい大会の戦績は書いたらキリがない。ユースジャパンの女子主将を3期連続で務めた。新極真会移籍のきっかけとなった第10回世界大会の4年後には現役の高校生で第11回世界大会の日本代表選手に見事選ばれた。快挙である。前回チャンピオンの将口や女子主将の加藤小也香らが負けて行く中で南原の快進撃は続く。初出場にして決勝に勝ち進む。第10回世界大会で日本代表選手団は史上初の男女W優勝を成し遂げた。塚本と将口の手によって。男子決勝は島本雄二と入来建武の日本人対決で、日本優勝が既に決まっていた。だから尚更、その決勝の舞台に上がる心境を今思うと相当のプレッシャーがあったに違いない。幾多の試練を乗り越え、数々の実績を積み上げてて来たとはいえ、17歳の少女にとって歴史と伝統ある新極真会の世界大会の決勝の舞台。日の丸を背負いし者の宿命とは言え、同じ日本代表選手とて決勝の舞台に上がらない限り分かる術もない。それは選手の父と母の姿を見た時、想像を絶する光景がそこにあった。決勝戦の前の特別演武のため、それまでセコンドに付いていたコーチの塚本に代わって自分が決勝だけセコンドに付いた。お父さんと福岡支部師範代の渡辺大士と3人で付いた。いくら日本代表選手団の監督とはいえ、どんな言葉を掛ける?決勝前に。これまでの歴戦の世界大会決勝戦もそうだった。正直、胃が破裂しそうなくらいの場面もあった。“もし日本が負けるようなことがあったら、私は腹を切る。“大山総裁がそう言って始まった世界大会の歴史である。しかし、いつも最後は・・・最後に行き着く所は・・・選手を信じる事だった。日本代表選手団を信じる事以外になかった。日本代表選手団は最強であると。それは日本代表選手団の歴史が証明している。ユースジャパンをやって来たという自信でもあった。決勝戦、選手紹介のコールの直前。舞台に向かって仁王立ちになる南原に最後に一言だけ言葉を掛けた。本部席にいる緑代表の方を見るよう促して“ほら緑代表がこっちを見てるぞ!”そう言って送り出した。将口の時もたった一言だった。“伝統継承!”・・・内緒です((´∀`))

身長20㎝・体重15㎏の差を物ともせず、欧州重量級チャンピオンのチェンゲ・ジェペシ選手と真っ向勝負で戦った。延長戦の末に敗れはしたが、見事な準優勝だった。第10回大会に続く男女W優勝こそ出来なかったが、女子は2位から4位までを占め、日本代表選手団はW優勝に匹敵するくらいの勝利を収めた。その4年後、南原は女子主将として第12回世界大会に臨み、見事リベンジを果たした。男子主将の島本雄二と共に男女W優勝を果たしたのである。今、南原朱里は現役の女子世界チャンピオンとして、偉大な大先輩の将口恵美と共に日本代表選手団の女子コーチを務める。

厳しいコロナ禍の中で、加えてロシアによるウクライナ侵攻が続く厳しい世界情勢の中ではあるが、9月ポーランドで第7回全世界ウエイト制大会が開催される。第6回のカザフスタンでは日本代表選手団は7階級制覇を成し遂げた。いよいよポーランドで日本代表選手団が悲願の全階級制覇に挑む。最強の日本代表選手団に、またひとり最強のコーチが加わった。頼もしい限りである。明日、開催国のポーランドの支部長が来日し、トーナメントの組み合わせ会議が行われる。
「スーパーチャンピオン列伝 南原朱里物語」・・・結婚もした。続きは、次回のお楽しみに((´∀`))

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