お祖父ちゃん、空手に導いてくれてありがとう!
墓前に手を合わせるひとりの少年。その傍らにはトロフィーが飾られている。林先生率いる富津分支部の少年部。名前は氏家勇誠、小学1年生である。25日に行われた関東錬成大会で遠征試合初めてとなる3位入賞を果たした。
勇誠のお祖父ちゃんが林先生の片腕的存在だった。長男だった父親の竜吾君は林先生の少年部時代からの愛弟子である。自分とも組手をしたこともある。親子3代の空手一家である。勇誠は7人兄弟姉妹の5番目で3男。いつもは組手が強い上二人のお兄ちゃんが入賞し、勇誠はいつも1回戦負けだった。しかし、今回は違った。兄二人は入賞を逃したが、勇誠だけが大きな関東錬成大会で入賞した。
栃木からの帰り道車の中で林先生に聞いた。
「今日は竜吾の誕生日だったんですよ!」
いつも喧嘩の強い兄二人の陰で泣き虫の勇誠が大きな仕事をした。父親の誕生日に初入賞を果たした。その父親を空手に導いたお祖父ちゃんの墓前に入賞報告に行った写真だったのである。
「竜吾、良かったね林先生、いい道場生育って来たね氏家さん、お孫さん達は皆元気一杯逞しく育ってますよ」
林先生から言われた。
「師範、下にあと二人男の子いますから」😁